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February 23, 2003

SESSION #014 「名騎手の引退」

ボクが生まれる前から騎手をやっていて、ボクが競馬を始めた頃には名手と呼ばれてました。 新聞や雑誌のインタビュー記事からもこの人の温かさを感じたし、テレビのインタビューを見ても人柄の良さがいつも出てました。 事実、競馬界でも彼のことを悪く言う者は関係者・ファンを問わずほとんどいなかったですから。 人から嫌われない勝負師ってのも珍しいですよね。

最近の若い騎手たちとは違って、派手なことが苦手なんだろうけど、それでもCMに出演したりモデルのような格好でカレンダーの写真に写ったり。 似合わないような事を照れながらやっているのが似合ってました。 ナイナイの岡村クンと一緒に出演したJRAのCMなんかはボクは今でも気に入ってます。

初騎乗で大惨敗し泣いていた新人騎手(岡村クン)になぐさめながら言う、「俺なんか1万回以上負けてるんや、競馬はそんなに簡単と違うわ」って言葉。 もちろんCMの台本上のセリフであるんですけど、おそらく彼の本心であろうし、こういったCMが製作されるってことが彼の人情の厚さを物語るエピソードの一つなんでしょう。

ダイイチルビー、アグネスフローラ、ニシノフラワー・・・ボクが競馬を覚えたての頃、牝馬と言えば必ずこの人。 センリョウヤクシャ、メルシーアトラ、ミッドナイトベッド、イイデサターン、メジロアルダン、メジロブライト、エリザベスローズ、アグネスパレード、シャイニンレーサー、レガシーワールド、それにアグネスタキオン、アグネスフライト・・・今でもはっきりと思い出せる名レース・名コンビの数々。

 短距離戦の追い込み、ニシノフラワーのスプリンターS、
 乗り替わりの初戦をいきなり大差の楽勝、メジロブライトのステイヤーズS、
 引退表明後、最後の挑戦となったWSJSでの優勝、
 左回りの追い込みに全てをかけた15番人気の3着、ヤマニングローバルの天皇賞
 ゴール後、武豊の言葉を聞き珍しくガッツポーズを挙げたアグネスフライトのダービー

現役最後となった今日、4勝と二着3回。 とくに第10レースの絶対届かないだろうってところからの追い込みは見ていて鳥肌がたち、涙が溢れてくるほどの名レースでした。

一流馬に乗せれば一流の勝ちかたを見せる。 難しい馬に乗せればクセ馬の扱いかたのお手本のような乗りかたを見せてくれる。 勝ってもおごらず、ファンを大切にし、競馬界を大事にする。 競馬場に行けばいるのが当たり前だった、そんな彼の騎乗がこれからはもう見れないと思うとちょっとさびしくなります。

長い間の騎手生活お疲れ様でした。
調教師となってもいい馬を育ててくれることを期待してます。

いままでありがとう、河内洋騎手。

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